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日语医学论文:急性実験におけるラットの手术法

日语医学论文:急性実験におけるラットの手术法
日语医学论文:急性実験におけるラットの手术法

急性実験におけるラットの手術法

目次

1.はじめに

2.実験を始める前に

3.麻酔の方法(吸入麻酔、麻酔薬投与)

4.カニュレーションの方法(気管、血管カニュレーション)

5.その他(筋弛緩薬投与および人工呼吸、実験終了後の処理)

6.参考文献

1.はじめに

実験で用いられるラットは、19世紀初期にヨーロッパ産ドブネズミの中から白色の変わり種として見つかったものが固定され、実験動物用に使われるようになったとされている。分類学的には哺乳動物網、げっ歯目、真鼠亜種、ネズミ科、クマネズミ属に属する1)。現在では多数の種類の系統が存在し、主な系統として近交系にACI、ALB、F344、LEW、SHR、TO、WM等、ミュータント系にはヌードラット、遺伝性黄疸、遺伝性白内障等、クローズドコロニーにはDonryu、Sprague Dawley、Wistar等、ハイブリッド系にはHORF1、LBNF1、LF344F 等がある2)。

ラットは実験動物として取扱いやすく、広く使われている。我々の研究室でも主にラットを用い電気生理学的研究を行っている。そこで本稿では、麻酔下で行う急性実験の際の基本的な方法について述べる。

2. 動物実験を始める前に

近年、福祉的観点から動物実験に対する是非が問われ、また論文発表の際には各研究機関の倫理委員会の承認もしくは動物実験に関する基本指針にのっとった旨の記述を必要とする場合が多い。これまで「実験動物の飼育及び保管等に関する規準、昭和55年総理府告示」「International guiding principles for biomedical research involving animals. CIOMSS1984」「動物実験に関する指針、日本実験動物学会1987」など倫理規範が示されている。1988年には「生理学領域における動物実験に関する基本的指針、日生誌51巻1号53頁」が日本生理学会より示された。動物実験を行う際にはこれらの指針を順守し、適正な実験計画および実験遂行に務めなければならない。その基本的事項のひとつとして、科学的な観点から最も適正な種属を選択するという項目がある。ラットを実験に用いる場合、その生理的な特徴を把握する必要がある。表1にラットの生理学的特徴を示す。

表1 ラットの生理学的特徴

体重雄300~700g?雌200~400g(初生時体重5~6g)

性成熟年齢9~10週交配開始齢9~14週

性周期(雌)4~5日

妊娠期間21~22日

産仔数6~15匹

離乳年齢18~23日

食餌量15~20g/日/匹(10g/100g体重/日) 飲水量4~7ml/日/匹(8~11ml/100g体重/日) 寿命2~3年

体温38.2(37.8~38.7)℃

開眼日齢10~12日

心拍数352(260~450)回/分

血圧98(82~120)mmHg

総血液量 6.41(5.75~6.99)ml/100g体重

呼吸数85.5(66~114)回/分

呼吸量0.86(0.60~1.25)ml/回、73(50~101)ml/分

赤血球数8.9(7.2~9.6)×106/mm3 ヘマトクリット

46(39~53)%

赤血球容積55(52~58)mm3

白血球数総数:14(5.5~25.0)×103/mm3 リンパ球:73(65~84)%

好中球:22(9~34)%

単球:2.3(0~5.0)%

好酸球:2.2(0~6.0)%

好塩基球:0.5(0~1.5)%

血小板数1240(1000~1380)×103/mm3

血漿pH :7.4±0.06

CO2 :22.5±4.5mM/l CO2圧:40±5.4mmHg

尿pH :7.3~8.5

比重:1.04~1.07

1)、2)、5)より引

動物は愛情を持って静かに取り扱うことが大切である。動物の扱いが不適切であると動物は狂暴になってしまい、実験者が指をかまれたり、実験処置も不正確になりやすい2)。動物に不安を与えたり、動物が嫌がること(たとえば動物の尾をつかんで長時間ぶら下げているようなこと)をしてはならない3)。ラットをつかむときは、母指と中指をラットの背部から腋下にまわして持ちあげる。右手の場合、示指をラットの右前肢の前方におき、中指とで右前肢をはさむようにすると持ちやすい。1~2週齢のものでは背部の皮膚をかるくつまんで持ちあげるようにする4)。保定者はリラックスして、手にはあまり力を入れずに、肝心の部分はしっかりと保定してラットをつかむことが重要である。3. 麻酔の方法

麻酔は実験動物の不安や苦痛を緩和し、動物の取り扱いや検査、実験処置などを容易にする目的で使用される。麻酔を使用するにあたっては、動物の麻酔深度をコントロールするために注意深く観察する必要がある。麻酔の直後は意識混濁と共に一種の興奮期(全身運動?眼球移動?瞳孔散大など)がおとずれる。興奮期が過ぎると、眼球は下方に固定し、均等な安静呼吸に入り、各種の反射が消失する。この時期が手術適期(深麻酔期)であるが、麻酔剤の投与量が多すぎるとこの時期に排尿や痙攣が見られることがある。覚醒期に近づくと、全身に震えが起こり睫毛反射が見られるようになる。一般に麻酔された動物の体温は低下するので、保温用のヒーティングマットなどで保温をする。また、実験室の室温をやや高めにしておくことが望ましい5)。

麻酔には全身麻酔と局所麻酔があり、一般的に実験用小動物(ラット、マウス、ハムスター類等)には局所麻酔は使用されない6)。全身麻酔の方法には、麻酔薬の気化ガスによる吸入麻酔と、麻酔薬投与(静脈内注射、腹腔内注射など)によるものの2種類のうちどちらかが一般的に用いられる。表2に各種麻酔薬の長所と短所を示す。

表2 各種麻酔薬の長所?短所

麻酔薬長所短所

エーテル?筋弛緩作用、鎮静作用が

強い

?呼吸循環系の抑制作用

が少ない

?気化器などを使用せず、

安価である

?部屋の換気が悪い

と他の動物や実験者

にも害となる

?可燃性、爆発性が

ある

ハロセン?エーテルよりも麻酔作

用が強く、麻酔深度の調節

が容易

?刺激性が少なく非燃性

非爆発性である

?呼吸循環系の抑制

が強い

?専用装置で気化さ

せる必要がある

ウレタン?水に溶けやすく吸収が

早い

?呼吸循環系の抑制がわ

ずか

?長時間の麻酔効果が得

られる

?発ガン性を有する

?回復しにくい

→慢性実験に

は適さない

ペントバルビタールナトリウム?各種動物実験に広く用

いられている

?呼吸循環系の抑制

が強い

1)、3)、5)- 8)より引用

吸入麻酔

揮発性麻酔薬(エーテル、ハロセンなど)とガス麻酔薬(笑気など)が、単独または混合して使用される1)。麻酔薬は体内で分解されることなくそのまま肺から排泄されるので、麻酔深度を適宜調節できるという利点がある1)が、手術適期が短く、補助麻酔を併用しなければならない繁雑さがある6)。ラットなどの小型動物の麻酔法には、麻酔瓶などの容器に揮発性麻酔薬を浸した綿花と動物を入れて蓋をする方法や、あるいは動物を入れた容器に専用装置で気化させた麻酔薬を送り込む方法がある。

エーテルは筋弛緩作用、鎮痛作用が強く、呼吸循環器系の抑制作用が少ないうえに、気化器などを必要とせず、安価である1)という利点がある。しかし、部屋の換気が悪いと他の動物や実験者にも害となり5)、また、可燃性、爆発性があるので注意が必要となる。

ハロセンはエーテルよりも麻酔作用が強く麻酔深度の調節が容易であり、刺激性が少なく非燃性非爆発性であるという利点があるが、呼吸循環系の抑制が強い1)7)。また、専用装置で気化させて使用する必要がある。

麻酔薬投与

長時間の手術適期が得られるが、系統?週齢、性、健康状態などにより投与量を考慮しないと死亡する恐れがある6)。麻酔薬としてはウレタンやペントバルビタールナトリウムなどが使用される。ウレタンはカルバミン酸エチルで、水に溶けやすく、吸収が早い8)。呼吸循環系の抑制がわずかで、長時間の麻酔効果が得られるが、発ガン性を有し麻酔から回復しにくいということから慢性実験には適さない7)。表3にラット体重当たりのウレタン投与量を示す。ペントバルビタールナトリウムは商品名ネンブタールとして流通しており、各種動物実験に広く用いられている。表4にラット体重当たりのネンブタールの投与量を示す。

表3 ラット体重当たりのウレタンの投与量(単位:ml、濃度:2 g / 8 ml d.w.)

体重(g) 1.1 g / kg 1.2 g / kg 1.4 g / kg

200 1.10 1.20 1.40

250 1.35 1.50 1.75

300 1.65 1.80 2.10

350 1.90 2.10 2.45

400 2.20 2.40 2.80

450 2.45 2.70 3.15

500 2.75 3.00 3.50

表4ラット体重当たりのネンブタール投与量(単位:ml、濃度:50 mg / ml)

体重(g)30 mg / kg 40 mg / kg 50 mg / kg

200 0.12 0.16 0.20

250 0.15 0.20 0.25

300 1.08 0.24 0.30

350 0.21 0.28 0.35

400 0.24 0.32 0.40

450 0.27 0.36 0.45

500 0.30 0.40 0.50

腹腔内投与の場合は、まず麻酔薬で満たされたシリンジに26G 1/2"注射針(直径0.45mm、長さ13mm、テルモ社製)を取り付ける。それから胸骨下端と外尿道口を結ぶ線のほぼ中央にて注射針を腹腔内へ刺入する。刺入の際は、まず針先で皮膚のみをすくい、皮下に注射針を入れてから腹膜を穿刺する。注射針を一気に腹腔内に刺入すると腹腔内臓器を損傷する可能性があるので気をつけなければならない。次にシリンジを一度軽く引き、出血のないことを確認してから一気に麻酔薬を注入する。注射針が腹腔内に入っているときに動物があばれると、注射針の先で腹腔内臓器を損傷する恐れがあるので注意する。あまり動物があばれるようであれば、注射針をいったん抜き再度保定をしっかりやり直すとよい。また、不必要なストレスを与えないようハロセンなどの吸入麻酔薬をかがせ、軽く麻酔しておくのもよい。

静脈内投与の場合、注射針を経皮的に静脈に刺入して麻酔薬を投与する方法と、静脈に挿入されたカテーテルから麻酔剤を投与する方法がある。ラットの場合、最初の麻酔は腹腔内投与で行い、実験中に追加投与するときは静脈内投与を行うのが一般的である。

◆◆◆◆◆◆◆◆

大塚ら7)はウサギの実験において、ネンブタールは呼吸循環系の抑制が強いと述べている。そこで、ラット循環系に及ぼす影響をウレタン麻酔とネンブタール麻酔において比較した(図1)。

その結果、心拍数に関しては両麻酔において

ほとんど差は認められなかった(ウレタン群

394.81±34.78beat/min、ネンブタール群379.55

±19.40beat/min、mean±S.D.、n=106)。平均血

圧については、ウレタン麻酔群(72.93±

13.58mmHg)、ネンブタール麻酔群(115.79±

9.14mmHg)で、むしろネンブタールの方がウレ

タンよりも高くなる傾向にあった。ウレタンは

一般的に長時間麻酔効果が持続するとされてい

るが、ネンブタールは30mg/kgで約30分、

40mg/kgで約60分で覚醒し始めるとされている

3)5)6)。このことから、血圧に差が生じた理

由として、2つの麻酔薬の持続効果の差が影響し

た可能性が考えられる。つまり、麻酔投与後時

間が経つにつれ?ネンブタールの麻酔効果がウ

レタンよりも早く減弱し、そのためにネンブタ

ール麻酔群の血圧が高くなる傾向にあったので

はないかと考えられる。しかし、心拍数では両

麻酔による差はほとんど認められなかったこと

から、それぞれの麻酔薬により作用する部位や

種によってその影響が異なる可能性も考えられ

た。

図1ウレタン麻酔(1.1g / kg 、ip )とネンブタ

ール麻酔(50mg / kg 、ip )の循環系に対する影

響の比較

A :1分間心拍数、

B :平均血圧における比較。

それぞれ麻酔開始から2~3時間後の値で、麻酔

薬の追加投与は行っていない。

4.カニュレーションの方法

カニュレーションは、気管→静脈→動脈の順で行う。動脈のカニュレーションの前に静脈を確保することによって、カニュレ-ション時の出血に対する補液をスムーズに行うことができる利点がある。

● 気管カニュレーション

ラットの頚部腹側の毛をバリカンで刈ってから皮膚をメスで切開し、皮膚と脂肪組織、筋を鉗子で剥離していく。皮膚と脂肪組織を分けていく際に下顎腺が見えてくるが、下顎腺及びその周囲の脂肪組織には血管が豊富に分布していることから、これらを損傷すると出血が激しいので、鉗子でうまくそれらを分離し、わきへよけておく。切開創の皮膚も鉗子ではさみ左右に牽引する。次に胸骨舌骨筋を鉗子で左右に開き気管を露出し、気管がよく見えるように開創器で筋を左右に固定する。気管を露出したら周囲に付着している結合織や血管を先があまり尖っていない小ピンセットで剥離していく。気管周囲には反回神経などが複数走行しているので、これらの神経を損傷しないように気をつける。剥離が終わったら図2の手順で気管カテーテルを挿入する。気管カテーテルは、外径2.5~3mm (内径2~2.5mm )のポリエチレンチューブを15~20mm に切断したものを数種類用意しておき、適時ラットの気管の太さに合わせて選ぶと良い。(図2B )

気管カニュレーションの際、気管周囲の組織から出血が起こると切開した気管の中に血液が流れ込み、気管の中で血餅が形成され、実験中に気管が閉塞して窒息してしまう可能性が高くなる。そのため、気管カニュレーションの時はできるだけ出血を起こさないように注意し、出血が起こったらカニュレーションの前に止血をきちんと施すよう心がける。

図2 気管カニュレーション

A

:気管カニュレ-ションの手順

(1)気管の下に糸を2本通し?それぞれを軽く結んで

おく。

(2)吻側の糸で気管を結紮し、メスで気管を切開す

る。

(3)気管カテーテルを挿入する。

(4)尾側の糸で気管とカテーテルを一緒に結紮する。

(5)吻側の糸をカテーテルに結びつける。

(6)両方の糸同士を結ぶ。

(7)6の側面図。

B.全体の写真および模式図

●血管カニュレーション

ここで紹介する血管カニュレーションの対象は、外頚静脈(図3B)と総頚動脈(図3C)である。静脈カニュレーションは麻酔薬等の薬物投与を目的に、動脈カニュレーションは心拍数、血圧を観血的に測定する目的として行う。血管用カテーテルは3Fr(外径1.0mm、アトム製)を用い、先端から10mmのところにマジックで印を付けておく。溶液(静脈用:生理食塩水、動脈用:ヘパリンを生理食塩水で1.000 unit/mlに希釈)を充填したシリンジに、三方活栓を介してカテーテルを接続し溶液で満たしておく。このときシリンジやカテーテルに空気が入っていないことを確認する。もしカテーテルに空気が入っているとその部分に血栓が形成されたり、また空気が血管の中に入ると空気塞栓を起こしてしまう恐れがあるので注意が必要である。

外頚静脈は気管から約1.5cm外方で、胸骨舌骨筋と胸鎖乳突筋の間を走行している。静脈は黒っぽい紫色をしているので確認しやすい。総頚動脈は気管の

すぐ外側を走行しており、血管壁は厚く弾力性があり、鮮やかなピンク色をしていて、拍動している。動脈のカニュレーションも静脈と同様に行うが、動脈は血圧が高く、出血すると血液が勢いよく飛び出てくるので注意する。

目的の血管を露出したら、創部を開いたまま開創器で固定する。小ピンセットで血管周囲の結合織を剥離していくが、このとき結合織が血管とうまく分離されていないと、カテーテルと血管を糸で十分に結紮することができず、カテーテルが血管から抜けてしまう恐れがあるので、血管周囲の結合織はしっかりと剥離する必要がある。カニュレーションに慣れていないときは、なるべく長く血管周囲を剥離した方がカニュレーションしやすい。また、静脈には分枝があるので、分枝を避けてカニュレーションをするか、あらかじめ分枝を糸で結紮しておく必要がある。血管カテーテル挿入の手順は図3に示す。

カテーテルを挿入したらシリンジを引いてカテーテルに血液が戻ってくるかどうか確認する。シリンジを引いても血液が戻ってこないときはカテーテルの先端が血管壁に密着している可能性があるので、その場合はカテーテルと血管の位置がまっすぐになるようにし、シリンジを押して中身を少量入れ、それから再びシリンジを引くと血液が戻ってくる。

以上の操作の終了後、目的の実験をおこなう。ラットを仰臥位のまま実験するときは皮膚切開創の上に生理食塩水で湿らせた綿花等を置き、伏臥位で実験を行うときは皮膚の切開部の創縁と血管カテーテルを糸で縫合した後、皮膚切開部を縫合する。こうしておくと切開部の乾燥を防ぐことができる。 図3血管カニュレーション

A

:血管カニュレ-ションの手順

(1)血管の下に糸を2本通し、それぞれを軽く結ぶ。

(2)末梢側の糸を結紮し、もう一方の糸より心臓側の

血管をクレンメではさむ。

(3)末梢側の結紮部位に近い位置で血管鋏で切れ込み

を入れる。

(4)ピンセットで切開部を広げる。静脈の場合、壁が

薄いのであまり広げすぎると血管が断裂してしまうの

で注意が必要である。

(5)カテーテルを挿入し、心臓側の血管を結紮する。

カテーテルは先端を斜めにカットしておくと挿入しや

すいが、あまり鋭角にカットしすぎると血管壁をつき

破ってしまう可能性があるので注意する7)。

(6)クレンメをはずし、さらにカテーテルを挿入する。

予めカーテルの先端から約1cmのところに印をつけて

おき、どの程度カテーテルを挿入したかの目安にする。

(7)1~1.5cmほどカテーテルを挿入したら、心臓側の

糸で血管とカテーテルを共に結紮する。

(8)末梢側の糸をカテーテルに結びつける。

(9)末梢側の糸と心臓側の糸同士を結ぶ。

(10)9の側面図。

B:静脈カニュレ-ションの全体図

C:動脈カニュレ-ションの全体図

5.その他

筋弛緩薬投与および人工呼吸

動物を非動化させるには、筋弛緩薬(臭化パンクロニウム、商品名ミオブロック)を2mg/kg静脈内投与する。筋弛緩薬の作用時間は短い(約1時間)ので、適時追加投与もしくはシリンジポンプなどで持続投与する必要がある。

筋弛緩薬を投与すると呼吸が停止するので、すぐに小動物用人工呼吸器に接続し呼吸管理を行う。呼吸量は、体重100gあたり1ccが目安である。ただし体重が450g以上になると脂肪の割に肺容量はそれほど大きくならないので、1~2割程度減らし調整する。呼吸回数は90回/分が規準で、呼気ガスモニターで呼気中の二酸化炭素濃度をモニターし3.8~4%の範囲になるよう適時回数を調整する。

実験終了後の処理

実験終了後はオーバードーゼの麻酔薬(ネンブタール1ml:50mg/ml)を投与し、動物に苦痛を与えることなくただちに安楽死させる。組織学的検索を行う場合は、深麻酔下にて胸骨?肋骨を切断し開胸して心臓を露出する。左心室か

ら上行大動脈にポリエチレンチューブ(外径2~2.5mm)を挿入し、クランプで固定する。ヘパリンを静脈内投与した後、体循環した潅流液を排出するために右心耳を切開する。はじめ生理食塩水500mlで潅流し、次に10%ホルマリン液で潅流固定を行う。摘出した標本は、さらに1~2日間ホルマリン浸漬固定する。

6.参考文献

1)藤原公策、前島一淑、宮嶌宏彰:動物実験学辞典、朝倉書店(1989)2)日本実験動物技術者協会、図解?実験動物技術集編集委員会:図解?実験動物技術集、有限会社アドスリ-(1992)

3)石橋正彦、菅原七郎、高橋寿太郎、安田泰久:動物実験学ラット、講談社(1984)

4)田嶋嘉雄:動物実験学技術編、朝倉書店(1977)

5)佐藤徳光:動物実験の基本、西村書店(1986)

6)鈴木潔:初心者のための動物実験手技‐マウス?ラット‐、講談社(1981)7)大塚曜一郎、照井直人:ウサギの手術、日本生理誌、62、33-44(2000)8)医学大辞典(第18版)、南山堂(1998)

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